【賽の河原地蔵和讃】亡くなった子ども(水子)と地蔵菩薩の物語

この作品は、巻物です。

【賽の河原地蔵和讃】
子どもを救う地蔵菩薩の威徳を表現した和讃(歌のようなもの)。
和讃の趣旨は地蔵菩薩の徳を讃えるような流れで結ばれるのだが、それまでの描写( 亡くなった子どもらが賽の河原で悲しみ恐れ泣き叫ぶ様子)が酷い。
「なぜ亡くなった子どもらは、死後にまで責め苦を受けなければいけないのか?」
 →親を嘆かせ、悲しい思いをさせたから、子どもらは責苦を受けているという理屈である。
 
どうすれば、子どもが責苦を受けなくてすむか?
  →親が涙をぬぐえばいい。親が嘆き悲しまなくなれば、子どもは責苦を受ける理由がなくなるから。
 亡くなった子どもらには地蔵菩薩がついている。だから親は安心して涙をぬぐって、もう一度前を向いて歩きはじめてほしい。悲しみは簡単には癒えないだろうけれど、涙をぬぐってその笑顔を子どもたちにみせてほしい。元気だよ、と。
 それが亡き子の供養になると、賽の河原地蔵和讃は、親へ伝えたいのではないかと思う。


加納 石人の書

書家 加納 石人 東京生 1924.1.28〜2008.9.22 初めまして。加納朱美と申します。石人の次男の嫁です。 舅 石人、姑を見送りました。やっと落ち着いて、石人氏の作品達を我家に眠らせておくのは、もったいない事だと実感。思いきって、ホームページも始める事に致しました。

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